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/ MacPeople 1998 #2 / MACPEOPLE-1998-NO2.ISO / アップル関連 / Open Transport 1.1.2 / インストール 1 / OT 1.1.2 テクニカル情報 < prev    next >
Text File  |  1996-12-05  |  22KB  |  233 lines

  1.  
  2. Open Transport 1.1.2 テクニカル情報
  3.  
  4.  
  5.  この書類には、ネットワーク管理者およびネットワーク制御者が、Open Transport を使用する際の技術的な情報について記載してあります。しかし、ここには、お使いのコンピュータで Open Transport を使用する方法については記載してありません。
  6.  
  7.  
  8. ※※ 掲載内容 ※※
  9.  
  10. 概要
  11. Open Transport 関連ファイル
  12. Open Transport AppleTalk の特長
  13.    -  AppleTalk でのスタティックおよびダイナミック・アドレス指定
  14.    -  パラメータ RAM の使用
  15. Open Transport TCP/IP の特長
  16.    -  DHCP サーバ・サポート
  17.    -  DHCP アドレスリース・サポート
  18.    -  Windows NT サーバ・サポート
  19.    -  BootP サポート
  20.    -  ローカル Hosts ファイル・サポート
  21.    -  MacTCP サーバと同じアドレス方式をサポート
  22.    -  MacTCP ダイナミック・アドレス・サポート
  23.    -  MacIP サポート
  24.    -  PPP 接続
  25. 必要なメモリ
  26. アプリケーション互換性ガイドライン
  27. 性能
  28.  
  29.  
  30. 概要
  31.  
  32.  Open Transport は、Mac OS で動作する、最新のネットワークおよび通信用のシステムソフトウェアです。Open Transport は、種類の異なるネットワーク標準仕様に準拠しており、Mac OS で使用可能な新しいレベルのネットワークの接続や制御を提供するとともに、ネットワークをより使い易くするための機能を Mac OS に内蔵し、Mac OS 搭載のコンピュータの性能を向上させます。 Open Transport 1.1.2 は、バージョン 7.5.5 以降のシステムソフトウェアと互換性があります。ただし、WorkGroup Server 8550/7250 をお使いの場合は WorkGroup Server に付属のシステムソフトウェア(バージョン 7.5.3)上でご使用ください。
  33.  
  34.  必要なシステム構成、互換性、既存バグ、使用上の制限等の情報は、“Open Transport 1.1.2 について”という書類をお読みください。
  35.  
  36.  
  37. Open Transport 関連ファイル
  38.  
  39.  Open Transport は、AppleTalk、TCP/IP の各コントロールパネルを、起動ディスクの“システムフォルダ”内の“コントロールパネル”フォルダにインストールします。このほかに、Open Transport インストーラは、“システムフォルダ”内の“機能拡張”フォルダに、以下のファイルをインストールします。
  40.  
  41. Shared Library Manager
  42. Shared Library Manager PPC
  43.  これらの機能拡張ファイルは、68K および  PowerPC プロセッサ搭載の各コンピュータに共有ライブラリのメカニズムを追加します。PowerPC プロセッサ搭載のコンピュータでは、共有ライブラリのエミュレーションモードとネイティブモードの両方をサポートするために、これらの機能拡張が両方とも必要です。
  44.  
  45. OpenTransportLib
  46. Open Transport Library
  47.  これらの共有ライブラリは、PowerPC プロセッサ搭載のコンピュータに Open Transport の主要なサービスを追加します。OpenTransportLib には、PowerPC プロセッサ用の追加機能と、PPC ネイティブアプリケーション用のインタフェースが含まれています。Open Transport Library には、Open Transport のビルトインモジュールと、68K エミュレーションアプリケーション用のインタフェースが含まれています。
  48.  
  49. OpenTptAppleTalkLib
  50. Open Tpt AppleTalk Library
  51.  これらの共有ライブラリは、PowerPC プロセッサ搭載のコンピュータに Open Transport AppleTalk サービスを追加します。OpenTptAppleTalkLib には、PowerPC プロセッサ用の追加機能と、PPC ネイティブアプリケーション用のインタフェースが含まれています。Open Tpt AppleTalk Library には、Open Transport のビルトインモジュールと、68K エミュレーションアプリケーション用のインタフェースが含まれています。
  52.  
  53. OpenTptInternetLib
  54. Open Tpt Internet Library
  55.  これらの共有ライブラリは、PowerPC プロセッサ搭載のコンピュータに Open Transport TCP/IP サービスを追加します。OpenTptInternetLib には、PowerPC 用の追加機能と、PPC ネイティブアプリケーション用のインタフェースが含まれています。Open Tpt Internet Library には、Open Transport のビルトインモジュールと、68K エミュレーションアプリケーション用のインタフェースが含まれています。
  56.  
  57. Open Transport 68K Library
  58.  この共有ライブラリは、68K プロセッサ搭載のコンピュータに Open Transport の主要なサービスを追加します。
  59.  
  60. Open Tpt ATalk 68K Library
  61.  この共有ライブラリは、68K プロセッサ搭載のコンピュータに Open Transport AppleTalk サービスを追加します。
  62.  
  63. Open Tpt Inet 68K Library
  64.  この共有ライブラリは、68K プロセッサ搭載のコンピュータに Open Transport TCP/IP サービスを追加します。
  65.  
  66.  
  67. Open Transport AppleTalk の特長
  68.  
  69. AppleTalk でのスタティックおよびダイナミック・アドレス指定
  70.  
  71.  Open Transport AppleTalk は、プロトコル・アドレスの静的アドレッシング(アドレスを手作業で設定)と、AppleTalk アドレス解決プロトコル(AppleTalk Address Resolution Protocol、AARP)が管理する動的アドレッシングの両方をサポートしています。静的アドレッシングの場合、AppleTalk のノードは固有かつ一定の識別子になるようにプロトコルアドレスを管理する必要があります。
  72.  
  73.  個別の AppleTalk サブネット(固有のネットワーク番号またはネットワーク番号範囲が割り当てられた特定のケーブルセグメント)の中のすべてのノードは、動的アドレスまたは、あらかじめ割り当てられた静的アドレスのどちらかを一貫して利用することが重要です。この結果、手作業によるアドレスを持つノードが接続されていない、または電源が入っていないときに、動的アドレッシングのノードを新しく追加して、同じアドレスを割り当ててしまう潜在的な問題を避けることができます。管理者は、アドレッシングモードをロックすることにより、サブネットのアドレッシングの方針を強制することができます。確実を期して、Open Transport AppleTalk は、静的なアドレッシングに構成されている場合でも、LAN 上のプロトコルアドレスの重複をチェックします。
  74.  
  75. パラメータ RAM の使用
  76.  
  77.  旧 AppleTalk ネットワーク方式を使用した場合、設定値(AppleTalk の“入/切”、選択したネットワークインタフェース、それまでに使用していたネットワーク(プロトコル)アドレス、それまでに使用していた AppleTalk ゾーン名)は、起動時に再利用できるよう、不揮発性メモリ(パラメータ RAM)に保存されていました。バックワード・コンパティブルを確実にするために、Open Transport AppleTalk を利用するシステムでも、依然としてこれらの情報の保存と復元を行ないます。ただし、Open Transport を使用した場合は、次のような違いがあります。
  78.  
  79.  □ 起動時に、Open Transport は AppleTalk の現在の構成ファイルを読み込んで、AppleTalk を“入”にすべきか“切”にすべきかを判断します。この値は、パラメータ RAM に保存されている値より優先されます。このような判断が利用者に明示されることはありません。
  80.  
  81.  □ AppleTalk の現在の構成ファイルの中で指定されているネットワーク・インターフェイスがロックされていて、指定されたポートが利用不可能、または初期化不可能な場合は、Open Transport はそのポートを LocalTalk に自動的に切り替えることはありません。その代わり、AppleTalk は“切”のままになります。利用者には警告ダイアログを表示し、AppleTalk が接続されなかったことを知らせます。
  82.  
  83.  
  84. Open Transport TCP/IP の特長
  85.  
  86.  Open Transport を採用することにより、ワークステーションレベルの TCP/IP プロトコルの機能を Mac OS で実現できます。MacTCP と同様、Open Transport/TCP は、完全な 32-bit のスタックです。Open Transport TCP/IP は、以下のサポートを追加します。
  87.  
  88.  □ ダイナミック・パス MTU 検索: これは、ヘテロジニアス(heterogeneous)ネットワークトポロジを使用してより効果的にネットワークを使用するためのものです。
  89.  
  90.  □ Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP): これは、IP アドレスの構成制御を集中管理するためのものです。DHCP は、Internet Engineering Task Force(IETF)標準プロトコルです。
  91.  
  92.  □ IP マルチキャスト: これは、Open Transport API 用に書かれたアプリケーションに MBone クライアントとして関与するためのものです。
  93.  
  94.  □ Open Transport のネイティブ API 用に作成されたアプリケーションが同時に利用できる TCP 接続の制限: インターネットや他の TCP/IP ネットワークサーバとしての機能を拡張するために、Open Transport のネイティブ API 用に作成されたアプリケーションが同時に利用できる TCP 接続の数は、実装されているメモリの量とプロセッサの能力による制限だけを受けます。これは、インターネットや他 TCP/IP ネットワークサーバとしての機能性を増やすためのものです。
  95.  
  96.  □ DNR(Domain Name Resolver)の一部をキャッシュして、より新しく、確実に標準に適合したドメイン名を得るための機能。
  97.  
  98.  □ ディベロッパーは、TCP や UDP だけではなく、IP サービスへのアクセスも可能になりました。
  99.  
  100.  □ DIX 仕様の Ethernet バージョン 2 および IEEE 仕様の 802.3 フレーム: これは、TCP/IP ホストが広範囲に渡る、より良い相互運用を行うためのものです。
  101.  
  102.  □ 暗黙的な、または明示的なドメイン名の検索パス: これは、ドメイン名を決定するための制御効果を上げるためのものです。
  103.  
  104.  □ フェールオーバー(fail-over)機能を持つ複数の IP ルータを使用: これは、高い信頼性を要求されるアプリケーションに対し堅牢性を高めます。
  105.  
  106.  □ TCP ワイルドカードソースポートを 2048 以降に割り当てます。
  107.  
  108. DHCP サーバ・サポート
  109.  
  110.  Apple 社の製品は、適切な仕様文書(RFC)の最新版に準拠しています。現在までに、Open Transport TCP/IP を以下の DHCP サーバサーバ環境でテストが行われています。
  111.  
  112.  □ Competitive Automation  (URL: http://www.join.com)
  113.  □ FTP Software  (URL: http://www.ftp.com)
  114.  □ Hewlett Packard HP-UX (URL: http://www.hp.com)
  115.  □ Microsoft Windows NT Server (URL: http://www.microsoft.com)
  116.  □ Silicon Graphics  (URL: http://www.sgi.com)
  117.  □ Sun Solaris and SunOS (URL: http://www.sun.com)
  118.  □ TGV (URL: http://www.tgv.com)
  119.  
  120. DHCP アドレスリース・サポート
  121.  
  122.  Open Transport TCP/IP は、DHCP アドレスリースをサポートしています。Open Transport TCP/IP は、更新期間に達した(デフォルトでは、リースが半分の長さに達すると、更新期間が終了します)アドレスリースを自動的に更新しようとします。構成 DHCP サーバに変更を加えると、更新期限の値を変更する場合があります。更新は、そのリースがすでに何回更新されたかに関係なく行われます。リースの再バインドもサポートしています。インタフェースの IP アドレスリースが期限切れになると、そのインタフェースを閉鎖します。Open Transport TCP/IP は、現在 DHCP Client ID オプション、および DHCPINFORM メッセージをサポートしていません。また、期限切れになっていない前回のリースを起動時に使おうとすることもありません。
  123.  
  124. Windows NT サーバ・サポート
  125.  
  126.  Open Transport 1.1 以降を使うと、Mac OS クライアントは、LAN リンク上の Windows NT DHCP サーバと相互運用することができます。しかし、Mac OS は ダイアルアップ(PPP)リンク経由で NT DHCP サーバから構成情報を取得することができません。ダイアルアップ経由での DHCP に関する業界標準がまだ確立されていないためです。NT の仕様は、Microsoft 固有の拡張に基づいています。Mac OS クライアントは、構成情報を取得することも、Microsoft WINS サーバに登録をすることもできません。WINS も、TCP/IP に対する Microsoft の拡張に基づいています(NetBIOS サポートが必要です)。
  127.  
  128.  インターネット・エンジニアリング・タスクフォース(The Internet Engineering Task Force、IETF) は、動的サービス識別(Dynamic Service Location)作業部会を通して、動的な登録と IP 名の検索をするためのクロスプラットフォームの業界標準を開発しています。Apple 社は、現時点では、WINS 拡張機能を実装する計画を立てていません。代わりに、適用可能な IETF 規格を実現するために力を入れています。
  129.  
  130.  バージョン 1.1 より前の Open Transport が動作している Mac OS クライアントでは、Microsoft の仕様と標準的な UNIX 搭載の典型的なサーバの仕様が他の点で大きく違うため、相互運用に関する問題が発生することがあります。
  131.  
  132. BootP サポート
  133.  
  134.  Open Transport 1.1 以降のバージョンは、Bootstrap Protocol(BootP)を完全にサポートしています。1.1 より前のバージョンの Open Transport は、ユニキャスト (サブネットブロードキャスト) のアドレス(たとえば、xxx.xxx.xxx.255)から送信された BootP Reply の受信に失敗していました。全ネットのブロードキャストアドレス(たとえば、255.255.255.255)は正しく処理されていました。また、Open Transport の初期のバージョンでは、BootP のゲートウェイが 0 ホップの範囲に存在している必要がありました。
  135.  
  136. ローカル Hosts ファイル・サポート
  137.  
  138.  Open Transport/TCP は、システムフォルダ内の“初期設定”フォルダにある Hosts ファイルをサポートします。Hosts ファイルは、Domain Name Resolver で最初に設定する情報を補足する、またはカスタマイズするために使用され、Open Transport/TCP を初期化するときに解析されます。MacTCP と同じように、Hosts ファイルは、Domain Name System Master File Format (RFC 1035) のサブセットの仕様に合わせてフォーマットされます。
  139.  
  140.  Open Transport TCP/IP は、Hosts ファイルの内容とフォーマットに関して、MacTCP より厳格です。MacTCP は、<domain-name> に関する FQDN の要求を守らなくても受け入れていました。たとえば、次のフォーマット:
  141.  
  142. charlie              A      128.1.1.1
  143.  
  144. は、MacTCP DBR では受け入れられていましたが、Open Transport/TCP のドメイン検索リストを使うと、認められなくなります(“charlie”は、構成されているドメインの一部、またはすべてに存在する可能性があるからです)。同じことを実現するには、代わりに次のフォーマットを使います:
  145.  
  146. charlie              CNAME  myhost.mydomain.edu
  147. myhost.mydomain.edu  A      128.1.1.1
  148.  
  149.  これは、ローカルエイリアスの charlie を、完全な形のドメイン名、 myhost.mydomain.edu に関連づけるもので、128.1.1.1 のアドレスにリゾルブします。ローカルエイリアスが使えるのは、CNAME 項目だけです。NS、A の各項目では、完全な形のドメイン名を使わなければなりません。
  150.  
  151.  テキストエディタやワードプロセッサを使って、Hosts ファイルを作成することができます(Hosts ファイルはテキストフォーマットで保存する必要があります)。Hosts ファイルを使用する場合、すべての設定をできるだけ少なくし、繰り返しアクセスされるエントリーだけを設定します。こうすることにより、DNS 情報をキャッシュするために必要なメモリフットプリントの総量を削減し、システム情報が変更されるときに、Hosts ファイルを保守するための手間を最小にします。
  152.  
  153.  Open Transport TCP/IP は、起動ディスクの“システムフォルダ”内の“初期設定”フォルダの中にある Hosts ファイルを自動的に使います。“初期設定”フォルダの中に Hosts ファイルがない場合は、Open Transport TCP/IP は起動ディスクの“システムフォルダ”内を検索します。特定の構成で使うために、特定の Hosts ファイルを指定することもできます。たとえば、Ethernet 経由で接続する利用者用と、モデム経由で接続する利用者用に2つの Hosts ファイルを準備することができます。
  154.  
  155.  Domain Name Resolver  の Hosts ファイルを作成するための詳しい情報は、“Apple Open Transport Reference Q & A”という書類をご覧ください。この Q & A の最新版は、インターネット上の ftp://seeding.apple.com/ess/public/opentransport/ から入手することができます。
  156.  
  157. MacTCP サーバと同じアドレス方式をサポート
  158.  
  159.  Open Transport TCP/IP は、Bootstrap Protocol(BootP)と Reverse Address Resolution Protocol(RARP)の両方の構成方法をサポートしています。MacTCP サーバのアドレス方式は、Bootstrap Protocol(BootP)と Reverse Address Resolution Protocol(RARP)の組み合わせを使用していました。“サーバ”モードを選択した場合、MacTCP は、IP アドレスを得るために BootP を使用し、BootP で正しいアドレスが得られない場合、RARP を使います。成功した方のプロトコルは、初期設定としてその値が保存され、次にコンピュータを起動するときにここで設定した値を使用します。Open Transport では、BootP と RARP のどちらかを明示的に選択しなければなりません。
  160.  
  161. MacTCP ダイナミック・アドレス・サポート
  162.  
  163.  Open Transport は、MacTCP のダイナミック・アドレス方式をサポートしていません。MacTCP のダイナミック・アドレス方式は、Apple 社所有の TCP/IP プロトコル用機能拡張仕様に従っています。これは、 AppleTalk プロトコルでアドレスを取り決めて登録するルールを TCP/IP ネットワークに用いるため、Mac OS 搭載のコンピュータだけで TCP/IP ネットワークを組む場合、大変簡単に行なうことができます。しかし、他の環境でこのダイナミック・アドレス方式を使用してネットワークを組む場合、ネットワーク管理者は追加作業が必要になるかもしれません。
  164.  
  165.  The Internet community(the IETF)は、 Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)として知られている IP アドレスのダイナミック・アドレス方式のためのマルチベンダー標準を開発しています。Open Transport TCP/IP は、業界標準の DHCP をサポートしています。
  166.  
  167. MacIP サポート
  168.  
  169.   MacIP は、AppleTalk だけのネットワーク(以前は、LocalTalk ネットワークと言っていました)で TCP/IP 仕様に従って通信するために開発したプロトコルです。現在 MacIP は、移動先でコンピュータを利用する利用者に対し TCP/IP ネットワークサービスを提供するため、AppleTalk Remote Access Protocol (ARAP)の上で頻繁に使われています。
  170.  
  171.  MacIP を使用するためには、通常、ゲートウェイ(ルータ)が必要です。ゲートウェイ(ルータ)は、AppleTalk のカプセルを取り外し、IP パケットを TCP/IP LAN に送信します。パケットが MacIP のエンドノードに送り返されると、ゲートウェイ(ルータ)は AppleTalk のカプセルを復元します。MacIP ゲートウェイ(ルータ)のサポートは、マルチプロトコル・ルータの中に統合したサービスとして頻繁に提供されます。ゲートウェイ(ルータ)は、AppleTalk ネットワークと TCP/IP ネットワークの両方に接続されます。
  172.  
  173.  Open Transport は“TCP/IP”コントロールパネルの中で MacIP をサポートしています。一度選択すると、TCP/IP データを AppleTalk パケットの中にカプセル化して、選択したネットワークインタフェースを経由して送信します。
  174.  
  175. PPP 接続
  176.  
  177.  Open Transport PPP(Point to Point Protocol)接続は、現在“MDEV”として知られるサードパーティー製の機能拡張を使っています。これらの機能拡張の初期バージョンは、Open Transport と互換性がない可能性があります。MDEV の互換性に関する情報は、“Open Transport 1.1.2 について ”というファイルをご覧ください。
  178.  
  179.  
  180. 必要なメモリ
  181.  
  182.  Open Transport は、Mac OS 搭載コンピュータをお使いの皆様に、多くの新しいネットワークの機能と能力を提供します。また、Open Transport は、一般的に、従来のネットワークより多くのシステムメモリ(RAM)を必要とします。しかし、Open Transport が必要とする実際のメモリの量は、特定の時点で使われているネットワークサービスに大きく依存します。従来のネットワークとの違いは、従来はネットワークサービスにメモリを割り当て、その後ネットワークサービスを利用していない場合でも割り付けられたメモリを保持していました。
  183.  
  184.  必要なメモリの量に違いをもたらす要素として、次のものが挙げられます:
  185.  
  186.  □ Open Transport は、68K コードと PowerPC ネイティブコードの両方のネットワーク機能を提供します。通常、PowerPC コードの方がサイズが大きいです(しかし高速です)。
  187.  
  188.  □ Open Transport は、“mixed-mode”のアプリケーションサポートし、PowerPC ネイティブアプリケーションと 68K アプリケーションの両方が、PowerPC プロセッサ搭載のコンピュータでネイティブなネットワークを使うことを可能にします。
  189.  
  190.  □ Open Transport は、ネットワークの新しい仕様と、従来の AppleTalk と MacTCP のプログラミングインタフェースを上位互換でサポートするために必要なライブラリの両方を含んでいます。
  191.  
  192.  □ Open Transport は、仮想メモリを有効にすることにより、システム上で必要とされるメモリを節約しています。従来のネットワークは、仮想メモリの設定にかかわりなく、同じ量のメモリを必要としていました。
  193.  
  194.  □ Open Transport は、クロスプラットフォームの規格である STREAM 環境に基づいていますが、この環境は従来のネットワークより多くのメモリを必要とします。
  195.  
  196.  必要なメモリは、お使いのコンピュータの構成によって異なります。基本的に必要なメモリの例をいくつか以下に示します:
  197.  
  198.                    仮想               従来の                  Open
  199. コンピュータ      メモリ       AppleTalk と MacTCP          Transport
  200. --------------------------------------------------------------------------
  201. PowerPC 搭載      “入”           350K から 450K             200KB
  202. PowerPC 搭載      “切”           350K から 450K           最大 1.2MB
  203. 680x0 搭載        “切”           350K から 450K        700KB から 800KB
  204.  
  205.  
  206. アプリケーション互換性ガイドライン
  207.  
  208.  Apple 社は、Open Transport に対して三段階のインターオペラビリティ(相互運用性)を提供しています。“Open Transport 互換”という第一段階は、旧 AppleTalk または MacTCP を基礎に開発したネットワークアプリケーションの場合、Open Transport 対応としても利用できることです。これらのアプリケーションは、新しい Open Transport のコントロールパネルで自動的に動作できるという利点がありますが、PowerPC プロセッサ搭載コンピュータ上ではそれほど際立った成果を上げることはできません。また、Open Transport のトランスポートインディペンデントな能力を生かすことはできません。
  209.  
  210.  “Open Transport 対応”アプリケーションとは、新しい Open Transport の API  を取り入れるように修正されたものです。これらのアプリケーションは、PowerPC プロセッサ用に最適化し、68030、68040 プロセッサ搭載のコンピュータでも動作できます。“Open Transport 対応”アプリケーションは、新しいコントロールパネルで使用できるとうい利点だけでなく、PowerPC プロセッサ搭載のコンピュータで動作すると、パフォーマンスを著しく高めることができます。
  211.  
  212.  最も効果的な、インターオペラビリティは、“エンハンスト Open Transport”であることです。上に記載した、新しい Open Transport の API を取り入れ、PowerPC プロセッサ用に最適化したアプリケーションは、AppleTalk、TCP/IP、およびシリアル通信をサポートするための設定を強力に行うことができます。
  213.  
  214.  公文書ではない API をもとにしたアプリケーションや、現在の AppleTalk や MacTCP に内部的なデータ構成を調べるアプリケーションは、Open Transport と完全に互換性があるとはいえません。これらのソフトウェアのアップデートバージョン版は、Open Transport と完全な互換性を持つと思われます。
  215.  
  216.  
  217. 性能
  218.  
  219.  Open Transport は、PowerPC プロセッサ搭載のコンピュータでネットワーク成果が高まるように設計してあります。この成果を上げるためには、ネットワークアプリケーションも PowerPC プロセッサ用に最適化され、新しい Open Transport プログラミングインタフェースを取り入れたアプリケーションであることが重要です。
  220.  
  221.  現在の Mac OS ネットワークアプリケーションは、大半が 68030、68040 プロセッサ用に作成されており、旧(68K 用)ネットワーク・プログラミングインタフェースを使用しています。これらのアプリケーションでも Open Transport を使用することができますし、ある程度性能は改善します。PowerPC プロセッサ用に最適化はしているが、“Open Transport 対応”ではないネットワークアプリケーションでも、よりよい性能を発揮しますが、潜在能力を最大限得ることはできません。Open Transport のすべての機能を使うのではなく、Open Transport のバックワード・コンパティブルに依存しているからです。
  222.  
  223.  転送データサイズが制限された AppleTalk プロトコルより、TCP/IP のように非常に大きなサイズのデータを通信するプロトコルの方がより成果が上がります。Fast Ethernet、FDDI、および ATM のような高速データリンクでは、ネットワークインタフェース・カード(NIC)ドライバコードを使用すると大変高速になります。
  224.  
  225.  全体的な性能は、利用可能な RAM の量にも依存します。パケットサイズが大きく、スループットが高いと、Open Transport のバッファリングシステムの需要も大きくなります。Open Transport がメモリ不足になると、その制約に合わせてスループットも低下します。
  226.  
  227.  
  228. ©1997 Apple Computer. Inc.
  229. Apple, the Apple logo, AppleShare, AppleTalk, LaserWriter, LocalTalk, MacTCP, Performa, Power Macintosh, PowerBook, and PowerBook Duo are trademarks of Apple Computer, Inc., registered in the U.S. and other countries. NuBus is a trademark of Texas Instruments. PowerPC is a trademark ofInternational Business Machines Corporation, used under license therefrom. All other product names are trademarks or registered trademarks of their respective holders. 第三者(またはサードパーティー)製品に関する言及は、参考のためにのみなされるものであり、保証もしくは推薦を意味するものではありません。アップルは、それらの製品の性能もしくは使用に関して何らの責任を負うものではありません。
  230.  
  231. 1997 年 3 月 6 日更新
  232.